概要
三重県松阪市に本社を構える式会社松阪電子計算センターは、1967 年の創業以来、官公庁向け各種行政情報システムの提供を主軸としたビジネスを展開、現在では東海・関西エリアを中心に 60 を超える自治体、および民間企業に多彩な ICT ソリューションやサービスを提供しています。そうした松阪電子計算センターにおいて、喫緊の課題として浮上していたのがバックアップ環境の改善であり、抱えていた数々の問題点を一気に解決するソリューションとして採用されたのが Rubrik の仮想化環境向けバックアップアプライアンスです。
課題
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ストレージ容量のひっ迫とバックアップの長時間化
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バックアップエラーの際の煩雑なリストア作業からの脱却
結果
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バックアップの高速化
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耐障害性の向上による安定運用
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直感的な操作による運用の効率化
ITトランスフォーメーションの成果
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バックアップ時間の短縮
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バックアップの信頼性の向上
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運用の効率化
課題
自治体向け業務システムの利用増に伴いバックアップに関して様々な課題が浮上
松阪電子計算センターは、自治体業務の効率化と住民サービスの向上に貢献するシステムインテグレーションをはじめ、ふるさと納税業務委託、データセンターやアウトソーシングといった多彩なサービスの提供により、地域社会の情報化推進を支援してきました。
さらに近年では、AI や IoT といった最先端技術を取り入れたシステム開発/サービス提供にも積極的に取り組んでいます。営業本部 営業企画部 部長代理の齊田利明氏は、「昨今のデジタル化の潮流を捉え、当社のビジネスモデルも大きく変化しており、クラウドを活用したインフラの構築や、デジタル変革(DX)をサポートするためのソリューションの提供にも注力しています」と強調します。
そうした同社では、自治体向けサービスの 1 つとして、財務会計や人事給与、庶務管理といった内部情報系業務システムを提供しています。これらの基盤は、VMwareの仮想サーバーを用いてインフラ上で運用されていますが、長年に亘るサービス提供とともに取り扱うデータ量や仮想サーバーの台数が増加、バックアップに関して様々な問題が発生するようになっていたと言います。 公共システム本部 IT インフラ部 技師の佐脇昌幸氏は、「バックアップデータがストレージ容量の 9 割以上にまで達するなど、状況はひっ迫していました。そうしたことから、バックアップが規定時間内に終了しないケースも多々、生じていたのです。また、仮想サーバーのデータ量が多いユーザーの場合、バックアップサーバーからのリストアも長時間化しており、完了までに約一日を要することもありました」と説明します。「さらに旧バックアップ基盤ではバックアップエラーも発生するようになっていたうえ、その復旧にも高リスクな作業が必要になるなど、リカバリの煩雑さも課題として挙げられていました」(佐脇氏)。
「バックアップデータがストレージ容量の 9 割以上にまで達するなど、状況はひっ迫していました。そうしたことから、バックアップが規定時間内に終了しないケースも多々、生じていたのです。」
導入ソリューション
新バックアップ基盤に求められた要件をすべて満たした「Rubrik」の採用を決定
松阪電子計算センターは、既存バックアップシステムが更新時期を迎えることを契機として、先に述べた課題の解決に着手します。新たなバックアップシステムに求める要件として、安定した運用を実現する「耐障害性の向上」、バックアップの長時間化を解消する「パフォーマンスの向上」、今後 5 年間を見据えたデータ増に対応する「容量アップ」のほか、重複排除や、将来的にパブリッククラウドサービスをアーカイブ先とした場合にも柔軟に連携が可能な「新たなテクノロジーの採用」、そして運用の自動化や更新/拡張時のサービス停止を極小化する「安定稼働と運用負担の軽減」等を掲げ、製品の選定を実施。これらの要件をすべて満たすソリューションとして採用されたのが、Rubrik の仮想化環境向けバックアップアプライアンス「Rubrikr6404」でした。
「Rubrik を選定した理由の 1 つに、一般的なバックアップソフトのように同一ネットワーク上にバックアップサーバーを設置する必要がなく、異なるネットワーク上であってもファイル単位でリストアが可能なことがありました。また、Rubrik 上のバックアップデータから仮想マシンを直接起動し高速に復旧させるインスタントリカバリ機能により、リストアの時間も短縮できると期待しました」(佐脇氏)。松阪電子計算センターは検証機を提供してもらい、2020 年 3月から 4 月にかけて実機による検証を実施。その結果、バックアップやリストアが問題なく行われていることや、インスタントリカバリ機能等が有効に働いていることを確認します。佐脇氏は、「提案時のデモンストレーションで説明を受けた、異なるネットワーク上でのファイル単位のリストアが本当に行えたことを目の当たりにし、『これはすごい』と驚いた記憶があります」と話します。また、公共システム本部 IT インフラ部 主任の永﨑晃也氏は「Rubrik の操作性についても検証したのですが、分かりやすいWeb コンソールを通じて様々な設定や管理が簡単に行えるので、これではあれば実運用時にも作業の効率化が図れると考えました」と評価します。
「Rubrik の操作性についても検証したのですが、分かりやすいWeb コンソールを通じて様々な設定や管理が簡単に行えるので、これではあれば実運用時にも作業の効率化が図れると考えました」
ほとんどのバックアップが 1 時間程度で完了リカバリ作業からも解放されコア業務に専念
2020 年 7 月から Rubrik の導入作業が開始、翌 2021 年 1 月には新バックアップシステムの本番稼働を迎えることができました。Rubrik の採用により、松阪電子計算センターはバックアップに関する問題を解消し、多くのメリットを享受できるようになっています。
佐脇氏は、「現在、350 台ほどの仮想サーバーのバックアップを行っていますが、ストレージ容量が大幅に拡大されたことで使用率も 60%程度に収まっており、安心して運用ができています。また、バックアップエラーも解消されたことで、煩雑だったリカバリ作業からも解放され、ビジネスに寄与する IT 環境の整備という本来の業務に専念できるようになりました」と評価します。
バックアップに要する時間も飛躍的に短縮されています。永﨑氏は「2 時間ごとにスケジュールを区切って複数のシステムのバックアップを行っていますが、そのほとんどが開始から 1時間程度で完了しており、規定時間内にバックアップが終了しない、といった問題もなくなりました」と説明します。
Rubrik の運用性の高さも評価ポイントです。佐脇氏は、「Webコンソールを用いてバックアップ対象の登録が簡単に行えるほか、各仮想サーバーのバックアップの状況も分かりやすくレポート表示してくるので、全体の状況が一目で把握できるようになっています」と説明します。
Rubrik の導入によりバックアップ基盤を大幅に強化した松阪電子計算センター。最後に齊田氏は次のように今後のビジネスに関する展望と Rubrik に対する期待を語りました。
「地方自治体におけるガバメントクラウドの活用促進が予期される中、これまで蓄積してきたパブリッククラウドサービスとの連携やハイブリッドクラウド構築における経験とノウハウを最大限に生かし、さらなるインフラビジネスの革新に取り組んでいきます。そうしたインフラの安心・安全を支えるバックアップ基盤として、Rubrik は今後も重要な役割を担ってくれると期待しています」(齊田氏)。
「現在、350 台ほどの仮想サーバーのバックアップを行っていますが、ストレージ容量が大幅に拡大されたことで使用率も 60%程度に収まっており、安心して運用ができています。また、バックアップエラーも解消されたことで、煩雑だったリカバリ作業からも解放され、ビジネスに寄与する IT 環境の整備という本来の業務に専念できるようになりました」
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